文字禍の館

文字禍の館 『文字禍の館』

倉阪鬼一郎

判型:文庫判

レーベル:祥伝社文庫

版元:祥伝社

発行:平成12年11月10日

isbn:4396328141

本体価格:381円

商品ページ:[bk1amazon]

[粗筋]

 在野の変人資産家が建築したという『文字禍の館』。招待客しか受け入れない秘密主義から都市伝説に変貌しつつあった博物館から、月刊誌『グノーシス』編集部に招待状が届いた。アシスタントは二名以内、名字は二文字で総画数で二十五画以上もしくは一文字で十五画以上(ペンネーム不可)という奇妙な制約を訝しがりながらも、髀塚(へいづか)は纐纈(こうけつ)と蠻(ばん)というアシスタントを見つけだし、取材に向かうが……

[感想]

 アイディア、プロット共に正しく倉阪氏にしか書き得ないタイプのホラー。この長さだと「発狂」というプロセスがとってつけたようになってしまうのが難だが、全体の展開そのものが狂気じみていて面白い。

 ホラーとして成功している印象がない、のは着想が勝ちすぎている所為が大きいだろう。不可解さとおぞましさは氏の他の著作と較べてもやや抜きんでているが、どちらかというと着想に対する関心が勝って恐怖感覚には結びついていない。或いは一連のプロセスをもう少し長めの尺で、突き詰めて行えば異様な傑作になり得たかも知れないが。

 これを書いている現在手許に本そのものがないので粗筋を後回しにしているが、なるべくなら手をつけたくない。果たして漢字が全部出るかどうか。因みに近影に写っている「魘」の覆面、実物を目の当たりにしたことがあります私。この日に

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