天才とばかは紙一重。

DIRECTORS LABEL ミシェル・ゴンドリー BEST SELECTION [DVD]

DIRECTORS LABEL ミシェル・ゴンドリー BEST SELECTION [DVD]

 とりあえず、1枚目のミュージック・クリップ部分だけぜんぶ鑑賞。それだけでノックアウト気味。

 あんな変なことをああも沢山考えつくのはよほどの馬鹿か、天才しかありますまい。メロディーに合わせて車窓の風景が変化するケミカル・ブラザーズ『Star Guiter』、演奏パートひとつひとつに奇怪なダンサーと動きが割り当てられたダフト・パンク『Around the World』についてはきのう触れましたが、CGを駆使してビョークの内側に大自然を構築してしまった『Joga』、音を一個鳴らすたびにギターアンプとドラムセットが増えていくホワイト・ストライプス『The Hardest Button to Button』、カイリー・ミノーグが街をぐるぐると回るのに併せてこちらは人間が無限に増えていく悪夢的なループを体感できる『Come Into My World』、通常回転と逆回転の映像を画面の左右で同時に進めながら摩訶不思議な世界を描きだすチボ・マット『Sugar Water』……基本的に、発想をひっくり返して現実ではあり得ない空間を構築していくという手法は一貫しているのですが、ここまであれこれと考えつくというのはただ者ではない。

 特に凄いのはホワイト・ストライプスの『Fell in Love with a Girl』で、これは恐らく実写でいちど撮った映像を、レゴ・ブロックで復元してアニメ化するという口にすると気の遠くなるような業を用いている。一見ものすごくドットの粗い映像に見えて、レゴ・ブロックで作っているから実は立体である、という奇妙な感覚にただただ呆気に取られます。癖になるぞこれ。

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