プレミアスクリーン初体験。

 というわけで今日も今日とて映画鑑賞。どうせ観に行くならなるべく人出の少なそうな日を選ぶのが吉でしょう、週末はともかく。

 料金に拘わらずシネマイレージも鑑賞回数(六回見たら一本タダになる)も貯まるのなら、多少遠くても六本木で観た方がいい、ということで本日も電車経由にて、読書を進めつつ移動。……どうしても一ページ十円だなあ。

 が、本日VIRGIN TOHO CINEMAS六本木ヒルズを選択したのにはもうひとつ理由がある。それは、通常料金では鑑賞できないプレミア・スクリーンをいちど体感してみること。TOHO CINEMAS系列では通常の劇場以外に、特別上映作品やその時期最も需要の多い作品をかけるプレミア・スクリーンというのがあるのです。通常より料金が高いのですが、座り心地がいい以外にどんな違いがあるのか、前々からちょっと興味がありました。

 TOHO CINEMAS系列で行っているシネマイレージカードのサービスでは、観た映画の時間数に応じてポイントが貯まり、その数値に応じて景品と交換できるのですが、そのなかに「通常料金のチケットをプレミア・スクリーン対応にアップグレードできる」というものがある。もうこれだけ通い詰めているので、さすがに一回ぐらいは交換できるポイントが貯まっている一方、次のランクの景品と交換できるポイントに到達するのは遥かに先。折角いま観たい作品がプレミア・スクリーンで掛かっているので、この機会にちょっと観ておこうと思ったのです。

 習慣でまず売店にてプログラムと飲物、それに今日は時間がちょっと半端なので腹ごなしに軽い食事も購入してスクリーンのほうへ。ほかのスクリーンとは入る位置もまったく違っていて、劇場に併設されたレストラン“カーテンコール”を抜けた先にある、というのは知識にあったので、そこまでは迷わなかったのですが、チケットの確認がその途中の受付で行われていると気づかず、いちど通り過ぎてしまった。呼ばれて戻り半券を渡すと、代わりに出て来たのはドリンク・チケット……奥のカウンターで交換してお持ちください、と言う。もう買っちゃったんですけど、と思わず応えると、両方持って行っていいとのこと。まあそりゃそうだ、と思いつつ、奥のバーカウンター(本当にバーカウンターなんですってば)にいる黒人のバーテンさんからグラスに入れたウーロン茶を受け取って更に奥へ。

 すると、そこにも女性の従業員が待ちかまえていて、何やらサービスらしいヨーグルトを渡してくれようとする。さて思い出してください、わたしの手には現在、プログラムを入れた袋に売店で買った紙コップ入の飲物と軽食、更にウーロン茶を注いだグラスがある。もう持てません、とやっぱり思わず言うと、なかに置いてから取りに戻ってもいいとのこと。……そりゃそうだ、と頷いてスクリーンのほうへ進む。

 座席の作りは確かに快適でした。通常の座席よりも拳ひとつ分ぐらい幅が広くなっているだけですが、それだけでも姿勢の融通が利く分非常に心地よい。加えて、通常脇には肘掛けとボトルストッカーぐらいしかありませんが、二席ごとに間接照明の入った細いテーブルがあいだに設けてある。わたしのふだんの映画鑑賞ではありえないくらいに持たされた食事類(ヨーグルトも受け取りに戻ったさ当ー然じゃないか)も、かるく置いてまだ余裕があるくらいのテーブルで、場内が暗くなってもうっすらと灯りが点ったままなので、鑑賞中飲物を取る手許を見失わずに済むのもいい。

 確かに、サービスとしては値段に見合ったものがある、と言っていいでしょう。が……これは、毎週のように映画を観ている人間には向きません。勝手が違いすぎて戸惑います。何回も来ればいつかは慣れるでしょうが、しかしもっと困るのは、カップルの比率が通常のスクリーンよりも高い。たぶん今日、あのスクリーンに単身座っていたのはわたしのほか、片手でも余るくらいの人数しかいなかったことでしょう。なんというか、どーしようもなく居心地が悪い。スクリーンとしては、画面の位置がほかの場所より低いために、前を通り過ぎる人がいると邪魔になることぐらいしか欠点が見つかりませんが、それでもわたしは普通のスクリーンで充分だと痛感しました。いいサービスであっても、わたしには不要。たぶん、ここだけで掛かっている作品である、という理由でもない限り、積極的に利用することは今後ないでしょう。

 と学習したところで本日の鑑賞作品の紹介。キアヌ・リーヴスがアメコミ原作の新たなヒーローに挑んだオカルト・アクション大作コンスタンティン』(Warner Bros.・配給)。予告編の雰囲気が好きだったのでこれも楽しみにしていた一本ですが、同日公開の『海を飛ぶ夢』を優先したため本日まで先送りにしておりました。いわば行きすぎた『エクソシスト』で、天国と地獄をカトリックの教義に基づきながら現代的に押し広げた解釈に基づいて描いており、その点ではなかなか新鮮で真面目さが光っていますが、もーちょっと突出したものが欲しかったところ。わたしには面白かったのですが、生真面目すぎるためにもっと外連の強い娯楽が観たい人やキリスト教に何ら興味のない人には退屈かも知れず。とりあえず『マトリックス』以来、ある意味正統派のヒーローに戻ったキアヌの勇姿が観られるので、その点では確実に満足するはずです。詳しい感想は後日、この辺に

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