携帯電話を活用してみよう。

 ずっと前から憧れていたことのひとつに、バイクに乗りながら音楽を聴く、というのがありました。大型のスクーターならオーディオ機器を搭載しているものもあるのですが、私の愛用しているバイクはオンロードとオフロードの中間ぐらい、という独特のフォルムでそもそもそんなものを載せる余裕はない。ならポータブルCDプレイヤーで、という意見もありましょうが、あれは振動の激しい乗物で使うと音飛びが激しく、また乾電池の消耗が馬鹿にならないので、充電式であれば望ましいのですがそのために独自に買うほど欲しくはない。その意味で理想に近かったのが先日入手した小型のMP3プレイヤーだったのですが、困ったことに専用のイヤホンをしたままではヘルメットが被れない。無理に被ると、どうしても耳から装着部が外れてしまう。前から持っている、耳の付け根にフックをかけるタイプのイヤホンならどうにかつけられそうなのですが、くだんのMP3プレイヤーはコネクターの形状が特殊で、一般的なステレオミニジャックのものは取り付けられなかったのです。

 そこへ来ると、新しい携帯電話はコネクタこそ平形ですが、ケーブルの先にまず付いているマイクつきのコントローラー部分にステレオミニジャックの端子があり、やはり付属しているイヤホン以外のものを装着することが可能になっている。購入当日から音楽はそこに前から持っていたイヤホンを取り付けて聴いていたのですが、本日はバイクに乗りながらの聴き心地を移動中ずっと試してみました。

 基本的に頭にほぼピッタリのサイズのものを被っているせいもあるのでしょう、やや耳たぶに余計な圧迫感を覚えますが、わりあい問題なく音楽が楽しめました。寧ろ、ふだん何かと気を取られがちで注意が散漫になるのが、若干集中力が増して目の行き届く範囲が拡がっているようにも思います――とは言ってみるものの、ぼんやりしていても事故を起こしたことだけはない人間なので、こればっかりは何か起きてみないと実際のところは解らないわけですが。

 問題としては、あとで移動中と同じヴォリュームで聴いてみると、想像より音が大きくなっていたこと。道路の騒音の中で聴こうとするから、自然と大きくしてしまっているらしい。感覚的には兎も角、間違いなく耳には負担になっているはずなので、抑えるよう心懸ける必要あり。

 そして、帰宅後に気づいたもうひとつの大きな問題は――そうして音楽を聴きながら移動しているときは、バイクを降りて普通に歩いているときもイヤホンを外せない、という点。何故かというと、携帯電話を鞄やポケットにしまったまま音楽を聴いている状態でも電話に出られるよう、コントローラー部分にマイクがついている訳なのですが、当然このとき着信音もまたヘッドフォンを介して聴こえてくる。もし、音楽を聴いていないからと言って、コントローラーを外さずイヤホンだけ耳から話していた場合、なおかつバイブレーション機能をオンにしていても振動が伝わらないような状態にあると、着信に気づくことはほぼ100パーセントありえません。実際、ちょうど携帯電話用のキャリング・ケースを探しているあいだに母から連絡があったのですが、帰宅するまでまっっったく気づきませんでした。内心、ウエストポーチのこれまでデジカメを入れていた箇所に携帯電話を入れておけば事足りるかも、と思っていたのですが、やはりふだんからマナーモードで利用することの多いうえに、そうして移動中のBGM再生に利用するつもりがあるのなら、躰に密着させられるケースに収納して、かつその際はイヤホンを離さないようにしなければならないようです。やっぱり何店も廻って探しまわって良かったらしい――実のところ、おとといの段階で一緒に買っておけば済んだんですけど。

 ……ていうか、これって本当に携帯電話の活用の話か?

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