さだまさしステージトーク大全「噺歌集」

 というのが発売されます。――って、過去にも同様の企画は何度かあったはずなんですが。

 兎に角下手をすると歌よりも長い、歌よりも楽しみにしている人がいる、というほどさだまさしのステージトークは面白い。最近は途絶えていますが、かつては文藝春秋で何冊か書籍が発行されているぐらいでした。ライブ盤でも、曲を活かすためにトークをそのまま残しているものが無数にあって、そういうところで“定番”のネタは聴けたのですが、今回そのなかから90ものエピソードを厳選、18枚のCDに収録してセット販売するそうです。

 ただ、一般のレコードショップでの販売予定はまだないのか、まずはファンクラブ会員対象で案内が送付されてきた。中に試聴用CDが同封してあったので、早速聴いてみる。

 冒頭、紹介のナレーションのあと、いきなり始まるのは「妖怪カッ飛びじじい」と呼ばれるエピソード。コンサートに先駆けたゴルフコンペのために飛行機で熊本まで赴いたはずがトラブルのために福岡に着陸、とりあえず現地入りしようと乗り込んだタクシーの爺さんがとんでもない人で……というネタで、これは本当に定番のひとつで私も展開はだいたい記憶している。それでもさだまさしの語りで聴くと格別で、目的地を告げた途端タクシーの爺さんの目が輝きだして「よっしゃー!!!」と叫んだ――ところでナレーションが遮りやがった

 ええまあそりゃ当然だしうすうす予想もしてましたよ。でもなあ、ネタはオチあってこそのもので、しかもやっと山場に差し掛かったところでブチ切るのはどうよ。続いての二本目のネタは「八丈島の娘」、“生きている歌手”として初めて八丈島でコンサートを開催することになったさだまさしが現地で目の当たりにした大騒動を語ったもので、これもファンのあいだでは有名なエピソード。役場の案内でくさやの工場を見物したりと慌ただしいさだを、自転車で追いかけてくる女の子の様子が楽しいのですが、これも当然のようにいいところでブツ。さすがに苛々してきたので、ここで聴くのを止めました。

 …………しかし、困ったことに簡単に術中に嵌って、買おうか買うまいか悩みはじめてしまった私もここにいたりして……

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