本日の見出し

あの頃について~シーズン・オブ・レーズン プライス・ダウン・リイシュー盤

 本日鑑賞した映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の、D-51による主題歌……ではなく、さだまさしがグレープ時代の相棒・吉田政美と久々に組み、“レーズン”名義で発表した1991年のアルバムに収録された曲から取りました。天の邪鬼と思うなかれ、本当に映画のタイトルを聴いたときからずっとこれを思い浮かべていたんです。

 ちなみにこのアルバム、ギターを弾くのが久々すぎて「昔自分が出した教本を見ながら練習した」とのたまったような人物が手懸けてますが、しかしブランクのあいだも音楽業界に携わってきた人物だけあって、沽券に拘わるという意識もあったか、極めて完成度の高い作品が揃ってます。何せ『ジャカランダの丘』『夢しだれ』『おそらくあなたには聴こえない小夜曲』など未だにライブでよく歌われる曲が何曲もありますし、見出しに採りあげた曲や『糸電話』などはふたりで歌うことが前提のためそうした使い方こそされていないものの、曲としての完成度は素晴らしい。特に『糸電話』などはグレープとしての現役当時を含めても、初めて吉田政美がリード・ヴォーカルを取って貫禄を見せつけていたりします。現役当時よりも巧くなっているのがまた妙で可笑しい。ギターの腕には心許ない発言しているのに歌は上達してるって、あなた。

 個人的にさだまさしは、渡辺俊幸服部克久・隆之と組んだ作品よりも、たとえば石川鷹彦と初めて本格的に共演した『ほのぼの』や、当時のバックバンド・亀山社中と作りあげた『夢回帰線II』など、特定の誰かと組んだコンセプトものこそ面白い、という捉え方をしてますが、そのなかでもこのアルバムの完成度はトップクラスでしょう。現役当時のグレープで認識が止まっている方は、是非ともこれを聴いて開眼してください――って、おれはいったい幾つぐらいの人を相手に発言してるつもりなんだ。

コメント

  1. misawa より:

    同世代相手じゃないんですか?<発言
    #自分も例外だということをわかっていないらしい。

    ジャカランダも糸電話もいいですねー、大好きです。
    「どっかぁん」の間抜けさもたまりませんね。

  2. tuckf より:

    いやだって、同世代だと普通グレープ時代で止まっているということがあり得ないんですって。現役のころ年齢ひと桁なのに、その後の『関白宣言』も知らずにグレープだけ知ってるって相当特殊な環境でないと。

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