『地獄少女』第十話 トモダチ

 出てくるのはいいがその位置は下着を見せに来てるみたいなもんだぞ閻魔あい、そんな感じでとうとう十話まで付き合ってしまいました。今回は、初等部からの親友でありながら、他の友達になびいてしまった女の子に“復讐”しようとする少女・みなみの話。

 狙いは解るがどうも行動に移る契機のひとつひとつがぐちゃぐちゃなので説得力に乏しいのです。そもそも一方の少女・詩織が裏切る契機が不明だし、翻心するきっかけとなる出来事が安易すぎるのも気に掛かります。だいいち、新しい友達のほうだって、これといった理由もなく詩織を無碍に扱うのは妙でしょう。

 但し、狙いは悪くないし、終盤の成り行きはけっこう意欲的で良かった。本当に相手のことを考えていないのに友達と呼べるのか。また、作法も知らず安易に“呪い”を行使することの危険を説いている点でもちょっと評価したい。五寸釘を用いもせず、時間や服装も守らずに丑の刻参りをするあたりなんか、グロテスクな滑稽さがあります。あの辺は、根拠も考えずにまじないに手を出す今日日の女の子らしい。

 そして今回はみなみと詩織という友達同士のキャラクター造型も巧かった。地獄少女に依頼するみなみのほうは小柄で幼い躰付き、詩織のほうは同い年なのにずっと背が高く躰つきも大人びている。そういうふたりが孤立し結びつき、一転して互いを疎んじ憎み合うという筋書きは、なかなかリアルです。あとはもう兎に角、そこに至るまでの展開が稚拙であるのが問題。

 そんなわけで、狙いと終盤の展開は良かったのですが、その繋ぎ方がいまいちという内容。これでもシリーズの中ではいい出来のほうではある。

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