『地獄少女』第十一話 ちぎれた糸

 地獄通信に新たに齎された依頼は、父のスキャンダルを捏造して、自分たち家族の生活をボロボロにした雑誌の編集長に対する復讐。その雑誌は、地獄通信の痕跡を追うルポライター・柴田の古巣であり、編集長は当時からの知人だった……

 依頼者の少年が糸をほどくのを長々と躊躇したために、初めて柴田が地獄少女一味の“復讐”を実行に移すための契約方法を知る、というのが眼目でしょうか。その過程を描写するために、復讐動機の描写から藁人形を渡されるまでの模様を大胆に省略したことが目立っているくらいで、あとはさしていいところなし。復讐される側の倫理観に根拠が感じられず、復讐する側に地獄少女一味が契約履行を促すような行動をしている根拠も不明。なんでわざわざ契約者と復讐対象の動向を探ってるの? そのわりに、間近にいる柴田についてはほとんど顧慮していない形跡があるし。そして復讐手段も、当人の罪状を思い知らせる効果があるとは到底思えない、相変わらずの出来。

 どうもシリーズを通して描きたいことはあるらしい、というのは察せられてきたのですが、しかし設定が提示された時点で容易に想像のつく範囲にしか収まっていないために、一向に地獄少女たちの動きが膨らまないまま終盤に来てしまった印象。柴田親子が登場したときは、ようやくシリーズに芯を通してきたかな、と期待したのですが、なんかその場しのぎに過ぎなかったらしい……

 今回は復讐する側もされる側も野郎だったために、そうでなくても画質が落ちてきたところに華も添えられず、絵的にも閻魔あい以外に見所なし。結局いいとこなしで終りそうです。

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