本日の見出し

おもひで泥棒 プライス・ダウン・リイシュー盤

 さだまさしといえば『関白宣言』、と思っている方もいまだ沢山いらっしゃるでしょう。あれはさだまさしというミュージシャンのあまたある側面のひとつに過ぎず、しかも戯画化したものであるにも拘わらず歌詞を中途半端にしか咀嚼せずに批判する声が相次いだために、さだまさしの名前を強固に印象づけると同時に、妙なマイナス・イメージをも齎してしまった、という功罪半ばする曲となってしまいました。

 が、そういう曲でもきちんと歌い継いでいって、しまいには膨らませてこんなものまで作ってしまうのがさだまさしという人のただ者ではないところ。見出しに引用したのは、1979年の大ヒットから15年後に発表された、彼のその後を描いた名曲です。基本は旋律をメジャーからマイナーにしただけなのですが、当時の世相を反映した歌詞で悲哀を誘いつつ、ラストには感動的な締め括りまで用意してあります。この曲の発表からも既に10年以上を経ているのですが、また新しいドラマがあっても不思議ではない雰囲気を醸しだしています。歌の中に物語を描き出す達人・さだまさしの本領を示す一曲と言えましょう。

 ちなみに、今日鑑賞した映画とは何の関連もありません。

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