『エンジェル・ハート』第十一話 父娘(おやこ)の時間

 戦闘の傷から恢復しつつあるグラス・ハートだが、病院のカルテに書くべき名前がないことに内心胸を痛める。冴羽獠から、李大人のつけた彼女の名前が“香瑩”であることを伝えるよう頼まれていた信宏だったが、彼女の反応が怖くてなかなか言い出すことが出来ない……

 もう今回からは『シティーハンター』に近いノリのまんまです。もっこもっこり言いまくりの冴羽に、何か隠していることがありそうな信宏を追うために窓からのショートカットで襲撃するグラス・ハート改め香瑩、そして気の毒に、早くも三枚目路線まっしぐらの信宏、とすっかり弾けまくってます。作画はだいぶよれていますが、勢いはあるのであんまり気になりません。ていうか、李大人までこんなに弾けてたってか。

 ただ、ようやくギャグが完璧に許容される展開になったのだから、もう少し歯切れ良くテンポよく描いて欲しいところ。この辺も、作画がきっちりしていればさほど気にならないのです。今回はいい場面で非常に端正な作画を披露しているだけに、勿体なく感じます。質がもっと平均して高いほうがいい――やっぱり、序盤から何度も書いてますが、線の多すぎるデザインが足を引っ張っているのでしょう。

 しかし話としては楽しくて良かった。北条司作品はシリアス一辺倒よりも、コメディ中心で要所にシリアスがあるくらいがちょうどいいのです。今回、その配分という意味からは満足の出来でした。どうも年を越して続くような気配で、その意味でもちょっと安心。

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