『まんが日本昔ばなし』第八回

 今年最後の放送だからか、一本目は『十二支の由来』。神様が新年、自分の家に早く着いた順に一年交替で動物の大将にしてあげよう、という提案を動物たちにした。策を弄するネズミに、仲良しだった犬と猿とが険悪になり、といった具合に競争の模様を描く。日本人ならいちどは聞いたことのある十二支の謂われですが、本来十二支は日本の動物とは直接繋がらないので後世の付会に過ぎないでしょう。でも、ちゃんと種族ごとの因縁が生じた理由を盛り込んでいて、遊び心のある話です。尺が短いのでだいぶ話が切り捨てられているはずですが、それでも話を聞けばひととおり十二支の順番が覚えられる点でもよく出来た話。しかし神様もあっさりズルを見逃すなよ。

 二本目は、『ねずみのすもう』。おじいさんとおばあさんは、家にいるネズミが自分たちの貧しさのために相撲で負けてしまったのを不憫に思い、ネズミのためにわざわざお餅を食べさせてやろうとする……。これまた牧歌的でいい話です。善行に対しては相応の報いがある、という成り行きかと思えば幸運はささやかなもので、でも捉え方次第で豊かな気持ちで生きていける、というのを説いた話でした。過程に押しつけがましさがなく、終始微笑ましくて良し。絵柄がものすごーく古い漫画調であるのもほのぼの感を増しています。いまこういうものが観られるのが嬉しいのう。

 次回は年明け、1月11日だそうです。……三週間も空くのかよ! こういう番組こそ、正月にも淡々と流して欲しいものなのにー。

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