古畑任三郎ファイナル・第1夜

 新年最大の楽しみがやってまいりました、古畑任三郎シリーズ最新作にして、遂に公式にラストと銘打った3夜連続シリーズ、第1話。ゲストは藤原竜也石坂浩二の、『新選組!』メンバーふたり。

 ……シリーズ最高傑作でした。今まではトリックが良くても倒叙方式にそぐわずに破綻していたり、話としては面白いんだけどやっていることが謎解きとしてグチャグチャすぎ、というものが多く、それでも古畑と今泉・西園寺とのやり取りや、犯人との駆け引きなどで魅せていた部分が大きい、というのが概ねの印象でしたが、まさかここに来て特大級の一撃が来るとは思いませんでした。導入、伏線、古畑と犯人との駆け引き、合間に挟まれるいつもながらのトリオ漫才と丁寧に従来の定石を踏まえつつ、終盤で急激にひっくり返し、最早どうしようもないのか? と思ったところで更に逆転を仕掛けてくる。強いて言うなら、その逆転の事実に古畑が辿り着く伏線と、その後始末が果たしてああもスムーズに進むか、という疑問がありますが、しかしちゃんと視聴者にも提示されている情報に基づいているのですから、やや粗くとも衝撃は充分。クライマックスで本当に身震いがするほど見事な出来でした。

 1夜目がこれだから、自ずと第2夜・第3夜にも期待……はしてません、色々な理由から。しかし仮に残り2話がどれほどグダグダでももう構いません、第1夜で渾身の一撃をかましてくれたというだけで満足です。寧ろ明日以降は気楽に観られそうだ。

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