『妖逆門―ばけぎゃもん―』第1話 オレとフエとばけぎゃもん

 なんか子供っぽそうだなー、と思いつつも、コンセプト監修が藤田和日郎だと聞いてはとりあえず一回はチェックせねば、と月曜日に放送されていたものを予約録画、今頃鑑賞してみる。

 冒険に憧れる多聞三志郎は、夏休みに入るなりフェリーに乗って飛び出そうとした矢先、嵐に巻き込まれて海に転落してしまう。そんな彼に手を差し伸べたのは、影に宿る妖怪・フエ。彼は三志郎を見込んで、妖怪たちを襲う“撃符遣い”に対抗する“撃符遣い”に指名する――

 うーん、使い回しのシーンとかわざわざ技の名前を口にするところとか如何にも子供向けを意識していて自分向きじゃないかも、と最初は思ったのですが、次の瞬間に「おおっ!」と歓声を上げてました。サブキャラとなる妖怪、遠野の長・大天狗に一鬼、一角だ! しかも妖怪の居城は高千穂の宙に浮く城だよ! 『うしおととら』のモチーフを流用してるよ!! そこだけで思わず大興奮。微妙に設定は変えてありますが、デザインは見事にあのまんまです。……あ、もしかして、先月まで『うしおととら』文庫化してたのって、これの伏線だったのか?

 大枠はちかごろ多い、召喚魔法風にカードを使用するバトルものの応用に過ぎません。初回ゆえ、主人公である三志郎の肉付けと、彼が戦いに足を踏み入れるまでを描くのに集中してますが、撃符の扱いにどーしてああも簡単に馴染めるのか、そもそもフエはなんで彼ならアレを使えると思ったのかとか、基本的なところがほったらかしにされているのもお約束通り。

 しかし、影に宿るフエの能力やその扱い方をはじめとする妖怪の描き方に、藤田和日郎の手法がきっちりと見え隠れしていて、その辺に興味を惹かれます。普通のアニメーションより太い線も今のところは精度が高く、少年向け作品としての熱さを感じさせる。

 テーマソングのほうも、オープニングこそちかごろありがちな人気アーティストとのタイアップになっていますけど、エンディングはちゃんと作品の内容を盛り込んだオリジナルで、背景も民話調の凝った作りになっていて好感触。押さえるところは押さえている印象なので、これならしばらくはチェックしてみていいかも。

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