『シムーン』第2話 青い泉

 新人・アーエルの登場がシムーン・シヴュラたちのあいだに動揺を齎すなか、エリーというシヴュラが性別を決定する聖人の儀式を行うために青い泉へと赴く決意を固めた。彼女に懇願され、シヴュラのなかでも最もその才能を認められたネヴィリルが同行することとなった。

 ……やっぱり作画とデザイン以外のすべてが拙い。脚本、演出の呼吸、音響演出、声優の演技、いずれもちぐはぐで苛々します。それぞれの主張しているものがずれていて、いっかな一致しないまま話がだらだらと流れていっている印象。

 肝心のシナリオも、戦争を様式美として描きたいのか、様式美では済まない酷薄さを描きたいのか、性差というものが基本的に存在しない世界の美術性を描きたいのか独自の世界を描きたいのか、狙いが不明瞭でどーも乗れない。明らかに有事なのに暢気に儀式に行くことを認めるなよ。自分で言っていますが、致命的に戦力が不足しているのですから、厳重に管理しなさいってば。自ら泉へと赴いた少女にしても、ラストに見せた悲嘆の意味が伝わらず、浮ついた印象を齎すばかり。

 個々の要素は決して悪くない。悪くないのに、ちゃんと整理せずに放り投げているからぐちゃぐちゃに崩れている。ここから様々な解釈を引き出して楽しむ、という見方もあるのは事実でしょうけれど、それ以前にせめて脚本をもっとがっちり固めて欲しい。あと、音響と声優の演出を何とかしてくれ。全体に下手すぎて画面を蹴りたくなるんですが。

 今のところ、この作品でいちばん安心して観られるのはオープニングだけ、という気がします。とてもいい曲なのに、なんか勿体ないぞと。

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