『地獄少女』第二十五話 地獄少女

 そうでなくても放送が遅れているのに、8日放送の話をいまごろ鑑賞。

 柴田親子に対して激情を迸らせた閻魔あい。彼女の意思か、柴田親子は遥か昔の光景を見せられる。生き物を生き返らせる奇妙な力を発揮するあいは村人から畏れられ忌避される存在であったが、従兄である仙太郎とその家族だけは彼女の面倒を見ていた。だがある日、七つ送りの巫女――つまり生贄としてあいが選ばれる。当初はその申し出を受け入れるあいだったが、仙太郎たち親子は彼女を密かに匿うのだった……

 ……なぜ来歴まで説得力がないんでしょうこのシリーズは。妙な力のある人間を忌避するのは古い共同体では実際よくあることでしたが、ああいう類のイジメには発展せず、徹底して“省く”ようになるはず。昔の人間は、力を示したものを畏れる場合、ああして強硬な態度には出られないのが普通です。それに、もし生贄として捧げる娘が行方をくらましたら、普通代理に誰かを贄に捧げそうなものですが……そのうえでなおも不作が続いて、あのときあいを捧げなかったから、という理屈になるならまだ解る。しかし、そうした補強をしていないので、村人たちの憤りにもいまひとつ説得力がないし、共同体の切実さ、残酷さも伝わらない。

 対するあいが、どうして仙太郎とその係累を激しく恨んだのかもいまいち判然としません。そもそも一度は生贄になることを承諾し、消極的な姿勢で匿われていたのですから、あの年まで永らえたことを感謝こそすれ、仙太郎たちを直接恨むことはなかったでしょうに。村人に対して復讐するのは(道義的な問題はさておき)まだ解るとしても、仙太郎に向けられた憎悪の意味はどうも謎です。

 何より、こうした激情が地獄送りの使者として感情を捨てシステマティックに依頼を果たす役割を任される流れにどう繋がっていくのかが不明――その辺は最終話に明かされるのかどうか。

 まあ、いずれにしても、クライマックスまで来てなおシナリオは練り込みが足りない、という点は変わらず、セーラー服姿のあいのヴィジュアルだけが抜きん出ている状況も同じでした。

 今週よーやくMXテレビでも最終回の放送がありますが、MYSCON参加のため当日は観られません。当日感想がアップされるのを期待されませんよう。

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