『夢使い』第五話 家族模様

 家族の様子がおかしい、と感じた父親が塔子らの玩具店に調査の依頼に訪れたが、具体的な異変を説明できない。燐子が単身訪問するが、そこは確かに普通の家だった。だが、一緒についた食卓で燐子は異変を目撃する――

 記憶に誤りがなければこれはアニメのオリジナル・エピソード、しかもシリーズの枠組みと世界観とをちゃんと押さえた、そういう意味ではいい仕事です。ちゃんと捻りも用意されているし、お定まりとなりつつあるドリーム・サイクロンのくだりもほどほどに省略されつつ効果的に遣われていました。

 ただ、作画のほうは一本のなかで波がありすぎて困惑します。やたらと塔子・燐子の表情がきっちり描かれていると思ったら、橘やゲスト・キャラの作画がどうにも適当で微妙な気分になることもしばしば。

 視聴者に解釈を委ねる、不気味な余韻を湛えたラストについては賛否が分かれるところでしょう。私はやや否定的な感想を抱きました。直前、家路に就く塔子たちの誰かが、悪夢のもととなった人物の“選択”について不安を口にするなりの伏線が張ってあれば別だったのですが、これでは塔子たちが自分の仕事ぶりに無自覚であることを示しているように感じられて収まりが悪い。シリーズ全体の伏線として盛り込んだ描写であれば好意的に捉えることも出来るのですが……正直、そこまで考えているようには今のところまだ見えません。

 それにしてもこの作品は、次回予告が毎回使い回しの映像であるため、予測が立てられないのもちょっとした悩みのひとつです。『夢の休日』って、そんなサブタイトルに該当するような話は原作にあっただろーか。

コメント

  1. 冬野 より:

    あれが地獄少女だったら、違和感ないんですがね。

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