『ARIA The NATURAL』第15話 その 広い輪っかの中で…

 アリスは午後から学校、藍華はお買物で別れ、珍しくひとりっきりでランチを摂っていた灯里。偶然遭遇した暁とアルから、ウッディ含む浮島出身の3人の過去を聞くことに……

 今回もオリジナルでしょうか。冒頭、灯里と晃に暁という非常に意外な組み合わせのやり取りは楽しめましたが、肝心の過去編の構成は微妙。舞台が浮島の公園だけ、という狭さも災いしているのでしょうが、話の内容の面でも画面的にも拡がりがないのが引っかかります。全般に台詞回しが稚拙なのが問題でしょう。

 いや、それ以上にいけないのは作画のクオリティ。灯里のアップやごく一部のショットを除いて、あまりに雑すぎて辟易します。主要キャラでさえしばしば崩壊し、モブキャラについては言わずもがな。あまりの手の抜きっぷりに腹が立ちました。これはさすがにひどすぎ。ちかごろもっとひどいアニメを見慣れているので許容量が増している私ですが、さすがに我慢できません。

 ただ、話の流れや締め括りは悪くない。いつの間にか集まっていた面々が共有する記憶に入れずしんみりとする灯里に、いまはもうその中心に灯里がいる、と諭す晃。その言葉を受けて、この話では話の外側にいる藍華やアリス、アテナたちの行動に以前のエピソードに登場した人々がちらちらと交錯する様子を描く。このくだりは非常に良かった。それだけに、もっと中盤の話運びや作画に注意して欲しかったところ。傑作になり損ねたエピソードでした。

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