まだ休めないんだ。

 本日は日中、ほぼずーっと自宅に籠もって――ゲラ作業。若干あった注文に添って作った改稿分をプリントして貼り付け、その上に更に細かく朱を入れていく。短篇だとちゃっちゃと出来ますが、さすがに長篇だとそうはいかない。夕方までにお返しするため、懸命に片付ける。

 どうにか15時ごろに片づいたので、出かける前に一眠り――と思ったら、なんでか30分程度で目覚めてしまう。仕方なく準備をしたりあれこれで時間を潰し、16時30分頃に家を出る。ひと駅ほど歩いたところの待ち合わせ場所で、某氏と落ち合って地下鉄にて移動。

 九段下に出ると、ちょっと某氏には待っていただいて、出版社へ寄って担当氏にゲラを返す。それから北の丸公園ぐるりと廻って科学技術館へ。こんなところへなんの用かと言えば、久々に試写会が当たったのです。たまたま出版社から近かったので、一緒に用事を済ませた次第。いや、普通に今日ぐらいに返却して欲しいと言われていたからでもありますが。

 それにしても、試写会をやるには少々特殊な場所でした。地下にあるサイエンスホールなる一画で、恐らくふだんから上映会をすることもあるのでしょうが、通常は学術的な講演などに用いられていると思しく、映画館では考えられない、背凭れに机がついているという特殊な構造になっている。長時間座り続けるための椅子でもないので、見ていて脚が痺れました。

 しかし、映画を観ているうちに察しがつきました。どうも、招待客に移動手段として地下鉄を使わせたかったと見えます。だから、最寄り駅が地下鉄に限定される立地条件を選んだ、と。何故ならかかった作品は、浅田次郎がブレイクするきっかけとなった代表作を篠原哲雄監督・堤真一主演で映像化したノスタルジックなドラマ地下鉄(メトロ)に乗って』(GAGA communications×松竹・配給)だったから。想像に過ぎませんが、もし意図的だったらなかなか巧い。

 肝心の出来ですが、あいにくと原作は未読なので比較しての検証は出来ないものの、恐らく原作の基本的な良さは壊していないのでしょう。それ故に文章では説明しやすい行動原理が一部説明不足になっているきらいがあるようですが、他の点については基本的に文句なし。但し――明らかに現代側の時代設定が10年以上おかしい。この設定であれば現代側の時代は1990年代にすべきで、携帯電話や東京メトロという要素は邪魔。何かおかしな力が働いたと勘繰りたくなるそのあたりを除けば、かなり優秀な出来だと思います。素直にお薦めできる。詳しい感想は後日、このへんに。ああああ映画感想が溜まってゆくうううう。

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