『地獄少女 二籠』第五話 地獄の暴走

 チンピラの山田麗音は、女子高生の泉に想いを寄せたことで、足抜けを決意する。だが兄貴分の力也がその目論見に勘づき、自分が代わりに泉をもらう、と言い出した。麗音は自分がかつていたぶったオタクが地獄通信の話をしているのを聞きつけ、利用することを思いつく……

 いつもと異なり、依頼に至る流れが二重構えのエピソードになってます。えらいステレオタイプかつオールドファッションな不良像が鼻につきますが、それ故に後半の展開が珍しくまともにカタルシスに繋がっている。あれだけ世間の汚穢を見届けている輪入道がいまさら人界の腐敗を嘆いたりしているくだりはもう少し縮めて、話そのものの意外性に連携する方向へと持っていったほうが良かったように思います。こんな仕事しててその程度の悪さを嘆くなって。

 前回にしても今回にしても、きくりの位置づけがいまいち不透明なのが変わらず気に掛かりますが、シリーズの中ではわりあいよく構成され、同調しやすい作りになっているのは評価できます。なんであいの演技の質が従来と違うのかが謎でしたが、これはこれで面白かったので良し。例によって作画のレベルが地獄送りの前後だけ突出して高くなってますが、ゲストキャラが大半野郎だったのであんまり気になりませんでした。

コメント

  1. 冬野 より:

    最近やけに輪入道の扱いが良くなっているのが気になります。

  2. tuckf より:

    今シリーズはどうも三藁の扱いを少し大きくする方向でまとめようとしているようなので、たぶんそのせいかと。前シリーズが埋没しすぎだったんです。そのくせ輪入道は水溜まりに投げ出されたり捨てられたり、けっこう扱い悪かった覚えがありますが、きっとその償いの意味も籠めて。

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