『Dr.コトー診療所2006』第9話

 志木那島にひとりの若い男が訪れた。診療所にやって来た男・知明(忍成修吾)は、彩佳(柴咲コウ)に代わってコトー(吉岡秀隆)を手伝っているミナ(蒼井優)の夫だという。お互いに天涯孤独の身であるふたりは身を寄せ合って生きてきたが、結婚を境にして知明は暴力を振るうようになり、彼から逃れるためにミナは看護師の募集に応じたのだ。別れて欲しい、というミナの言葉に、感情を昂らせた知明は、だがそこで昏倒してしまう……

 ミナが島にやって来た理由と解決を1話で済ませてしまいました。もともとそんなに複雑な事情ではなかったわけですが、しかし細かな描写のために予め伏線を鏤めておいても良かったのでは、とちょっと思います。夫との生活で抱えた闇が、初登場時点であまり滲んでいなかったため、どうも全体に唐突な印象なのです。

 しかし話運びは相変わらず堅実で良し。今回はいささかベタすぎるきらいがありましたが、最後の盛り上がりを前にあまりミナが存在感を増しすぎてしまうのも問題なので、このくらいでちょうどいいのでしょう。

 ――残り2話、とうとう星野(小林薫)が娘の病を知る時が来ました。さあ、どう締めくくる。

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