『Venus Versus Virus』Piece01 アオイ サソイ

 これも原作読んだことありませんがやっぱり気になったので観てみた。

 日頃、謎の“影”に悩まされ、最近は友人の失踪が相次いでいるという少女・理沙は、偶然見つけた悪魔退治のチラシを頼って、ルチアのもとを訪れる。ヴァイアラスという“魔人”の仕業であることは疑いないが、調査に向かったルチアは、その痕跡が皆無であることを訝しむ。調査の隙に、依頼人・理沙と助手のスミレが襲われたために、ルチアは最後の手段を用いる……

 これも最近増えてきた、女の子主体のアクション・ホラーの趣。パーツがかなり手垢の付いたものになっているだけに、どれだけ独自の雰囲気が出せるかが勝負所ですが、やや突き抜け切れていない印象です。ヴァイアラスという戦闘対象も対応する兵器も吸血鬼ものの亜種だし、異能を示すヘテロクロミアも取って付けたような感じ。際立たせるものがあるとすればスミレの特性ですが、今回だけを見た限りでは、「どうやって飼い慣らしているのか」という点が曖昧で、本来生み出せるはずの深みを損なっているように思えてなりませんでした。

 作画のほうは、独特の水彩画的なタッチは雰囲気があって嫌いではないのですが、随所に描線の不自然なところがあり、そのせいで全体が落ち着かなくなっている。シリーズを始めるにあたって、スタイルが充分に固まりきっていない状態のまま来てしまったような印象を受けます。どこかで先行作との差別化を図ろうとしながら、完全に線を引くことが出来ずに来てしまったような。

 率直に言って微妙な仕上がりですが、切るほど駄目という感想でもないので、もうちょっと付き合ってみます。

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