ラズベリー賞ノミネート発表。

 毎度ながらアカデミー賞に先んじて、その年の最低映画を表彰するラズベリー賞のノミネートが発表されました。最も多く候補に挙がったのはさもありなん、な『氷の微笑2』と、日本未公開の『Little Man』のそれぞれ7部門。続いて知る人ぞ知るクソ映画の巨匠ウーヴェ・ポルの『ブラッドライン』が6部門、ニコラス・ケイジ主演で同題カルト映画をリメイクした『Wicker Man』とファミリー映画『ウォルト・ディズニーのサンタクローズ3/クリスマス大決戦!』が5部門。それに我らがM.ナイト・シャマラン監督最新作『レディ・イン・ザ・ウォーター』が4部門で挙がってたりします。

 ただこのラジー賞、本気で不出来な映画に、というよりは話題性や前評判に対する、興収や実情との乖離を基準にしているようなものだと捉えるべき代物です。なので、ホラー愛好家には評判のいい『テキサス・チェーンソー ビギニング』が続編作品部門で候補に挙がっていたりする。自分の好きな映画が出て来たからといって嘆く必要も落ちこむ必要もなかったりします。

 そういう理解があるので、個人的には好きな『レディ〜』が作品賞はじめ4部門もノミネートされていても、寧ろ「そうだろうなー」という感慨のほうが濃かったり。感想にも書いていますが、これはシャマラン監督という作家の体臭がもろに出た作品です。そりゃ普通にサプライズとかドラマを期待したら訳が解らんに決まっている。ぶっちゃけ、たぶん候補に挙がるだろうことは予測していました。本当に。

 そして、その観点からすると、ノミネートされた4部門のうちひとつが助演男優賞でしかも対象がシャマラン監督本人であるというのは実に重要。ここに挙げるあたりに、ラジー賞選考委員の素晴らしいユーモア精神が感じられるのです。うん、そこで候補にしなくてどこでするというの?!

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