本日の見出し

ほのぼの プライス・ダウン・リイシュー盤

 これを今日の“1曲”として採りあげるのはいいのか? さだまさし1992年発表の名盤『ほのぼの』より、この作品から共演する機会の増えた日本フォーク界の神・石川鷹彦とのちょっとしたお遊びを収録したトラックです。ふたりしてギターを抱え、同時にアドリブで弾きはじめる。最初は「さだと違うコードを弾いたら石川の負け」と規定したところ、当然ながら一瞬で勝負がついてしまったため、「さだと同じコードを弾いたら石川の負け」に変更して仕切り直し。プロのCDなのに不協和音が延々鳴り響くという謎の展開ののち、けっきょく最後もあっさりさだまさしの勝ちとなるのですが、そこに石川鷹彦の「さだが弾いたコードを次に反復していけば大丈夫だと思った」という読みと、それを逆に読んで「同じコードを弾き続けた」というさだの作戦がある、という具合に、プロの耳と技術力が微妙に垣間見える、妙なトラックです。

 個人的に、さだまさしがその音楽性において頂点を極めたのは、前年の『家族の肖像』から翌年の『逢ひみての』あたりであり*1、このアルバムはなかでも特異な地位を占める傑作だと思ってます。さだまさしファンのみならず、アコースティック・ギター愛する人はいちど聴いて欲しい。凄いんだから。

 このところまたさだまさしを多めに廻しております。理由は、mixiミュージックの個人ランキング調整のため。……来週からしばらく、1枚のアルバムを延々聴き続けることになりそうで、万一それに追い抜かれるのを防ぐため、或いは抜かれたとしても差を極端に生じさせないための対策です。

*1:この間には、グレープの吉田政美と“レーズン”名義で1枚限りの復活を果たした『あの頃について』という作品もある。これも大傑作です。現役時代よりも歌が巧くなった、とさだが賞賛する吉田初のリード・ヴォーカルによるシングルまでリリースされていました。

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