『Venus Versus Virus』Piece08 アマイ ニオイ

 スミレは自分と同じ日であるルチアの誕生日を祝おうと画策するが、予めそれを知ったルチアは拒絶する。彼女が産まれた日は、同時に母が死んだ日でもあるからだ。無神経だった、とスミレは反省するが、しかし対するルチアも邪険に拒むべきではなかったと思い、歩み寄りの姿勢を見せる。いつになく心地好く、平穏な時間が過ぎていくが……

 ……先に観ている『ひだまりスケッチ』がなまじ端整なだけに、こっちはひたすら欠点が目についてしまいます。作画はガタガタしているし、演出はかなり安易。基本要素は悪くないのに、他の要素の大半が美点をすべて殺してしまっている。

 とはいえ、全否定するほど何もかもひどいわけではない。場面ごとの色合いの調整は巧いですし、織りこもうとしているガジェット自体は間違っていないのです。

 ただ、終盤に用意された波はやっぱりちょっとおかしい。あれだけの経験をしているスミレがいまさらあの程度で動揺するのも奇妙ですし、そのショックを演出する手法も大袈裟に過ぎる。どうもなあ……。

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