『地獄少女 二籠』第二十二話 憧憬

 あれから三ヶ月。証拠不充分で釈放はされたが、拓真に対する周囲の眼は厳しさを増していた。孤独感に苛まれていた彼の前に、セリという女性が現れる。拓真の背景を知らず、屈託なく接してくる彼女に、久々に明るい表情を見せる拓真だったが……

 そろそろシリーズにとって大事な局面だろうに、作画のテンションがいまいち向上していないのはどうなんだろう。話も1話できっちり区切る必要がない、という姿勢が完璧に災いして締まりのないこと。

 まあ、狙いは解るのです。恨み嫉みの蔓延する街で悪意を一身に受ける少年、僅かに齎された救いも役割を果たさず、更に追い詰められていく。そうした過程を描くうえでは必然的な話運びだった、んでしょうけれど……しかしあらゆる点でインパクトに欠いた。そもそも、第十四話で提示した欠点はフォローなしで、更に街の人間の情報に対する態度が明らかに行き過ぎ、という具合に悪化させてしまっているのはまずい。

 そのうえ今回は三藁どころかあいにも見せ場なし、結果的に映像的な見所もなかったので、やっぱりあまり印象に残らない出来でした。それにしても、ときどきあいたちは意図的に地獄コントを省いて地獄に流している形跡があるんですが、その基準は何処にあるのやら。

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