『ゲゲゲの鬼太郎』第5話 呪われた映画

 現在、2度目のリメイクが進行しているホラー映画の撮影スタジオに、ひとりの男がふらりと現れる。ここでこの映画を撮ってはいけない、と警告された若いスタッフがスタジオの人間に事情を訊くと、男はその映画が初めてリメイクされたときにカメラマンとして勤めていたが、スタッフの失踪事件についての嫌疑をかけられ、放逐されていた……

 実写映画公開に合わせ、ウエンツ瑛士がゲスト出演していることもあってか、先週あたりの低調さが嘘のような質の高さ。作画・演出の安定ぶりもさることながら、シナリオが実によく出来ている。スタジオで発生する怪異を生真面目に訴えてしまったがために逐われた男と、そんな彼をかつて助けた鬼太郎の複雑な感情。その直後の展開はやっぱり子供向けアニメの定番ですが、戦闘後の展開にちょっと度胆を抜かれました。いちおう子供向けの皮を被っているにも拘わらず、何だこの非情な展開。きちんと筋を通すと共に、大人社会の因習に対する不誠実さを描いている点で出色ですが、よく認めたなあ。いや、正しい表現ですから、むしろ大歓迎なのですが。

 初回の骨太さが急に蘇った、渾身のエピソードでした。前2回ほどはどーしようかと思いましたが、こうしてときどきでも持ち直してくれるなら観つづけるのも心配はなさそう。

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