『帰ってきた時効警察』第四話 催眠術は、推理小説にはタブーだと言っても過言ではないのに…

 霧山が今回採りあげたのは、新進女流推理作家として売り出し中だった七海奈美が殺害された事件。当時、奈美と不倫関係だった同業者の娘に接触しに行くと、そこには三日月の姿がある。現在、催眠セラピスト・スリーピー玲子として活動する彼女に施療してもらうために訪れた三日月だったが、実は事件当時の同級生でもあったのだ。

 ちなみに催眠術を本気でタブーにすると、何人か大家が失格の落胤押されます。現役もいるぞ。

 いや、それにしても今回の小ネタの応酬は凄まじいものがある。早め早めの食堂とか三日月歌手デビューとか、もう随所で笑いを取りまくるので目が離せないったら。仕事が進まねえよー。

 ミステリとしては、最初の殺人のネタはあまりにも有り体すぎて、迷宮入りしたのが不思議なほど。しかし本丸である第2の事件とその背景は、個々のアイディアは使い古しでも、その活かし方が実にドラマとして巧み。基本コメディなのに、この真相は妙に物悲しく沁みてきます。少しこの方法の効能を盲信しすぎている気がしますが、しかし時効警察というのは、どこかファンタジーに近い性質があるので、充分許容範囲でしょう。

 今シリーズは第2話が白眉となるかも、と思っていましたが、早くもそれを上回ってきました。最後の最後まで擽りを忘れないその心意気も天晴れでした。

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