昨晩の悲劇。

 感想も書かずに密かに楽しんでいた『セクシーボイスアンドロボ』第7話が、先日の立て籠もり事件を連想させる内容だから、という理由で放送中止となり、急遽第2話が再放送されてました。

 第7話の内容がどんなものだったのか、想像するしか出来ませんが、しかしそんなにダイレクトに思い浮かべるほどそっくりだったのか、また新たな模倣を招いたり、事件の関係者を傷つけるような内容だったのか。このシリーズの趣旨からして、コメディタッチではあっても、決して不真面目な結末ではなかったと思うのですが――観ることが出来ないのでは判断も不可能。

 そもそも作られたのは事件の前であるのはスケジュール的にも疑いを容れないのですから、素直に放送して視聴者の判断を仰ぐ、ぐらいのほうが良かったように思います。現実と虚構が同時期に似たような事件を語ることで、見えてくるものもあるのですから。

 ……まあ、ぶっちゃけ、視聴率は芳しくないらしいですし、局もそんなに重要視していなかったからこそあっさり放送中止にしたのでしょう。どっちにしても、視聴者を舐めた行為であることに違いはない。視聴率がいくら低くても、ゼロじゃない限り観ている人間はいるのですから。そして、観ている人間の判断力を頭から疑うような姿勢も、マスメディアとしては問題。

 どっちが問題かと言えば、事件のその時点で、犯人が見ていることも考慮せず、警察が対処する様子を無思慮に追いかけて、犯人に情報を齎しかねない危険を延々冒し続けるマスコミの理性のなさこそ問題だと思う。あんなのに比べれば、悪意も善意も予定調和に含めたフィクションのほうがよほど秩序だっていて有益です。

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