『座頭市』テレビ放映。

 を観てました、が実は昨日も観た。『監督・ばんざい!』公開を記念して、新宿のテアトルタイムズスクエアが1日〜3日限定で“キタノタイムズスクエア”と改称していて、どーいう具合にしたのか眺めるのがずーっと楽しみだったのですが多忙のためにとうてい行っていられそうもなく、悔しさ紛れにDVDを流していたのです。今夜放送されることは承知のうえで。

 テレビを点けたときには半分くらい終わっていたのですが、部分的に妙な違和感。すぐに正体は解りました。切断面を映してない。賭場での戦いの場面では、端緒となった壺振りの腕を切り落とすところが、市の回想では竹竿を割りながら一緒に持ち手の指を切り落とすところが映っていない。まるまる外されたカットもありますが、こういう切りにくいところでは一瞬だけ画面をズームさせたり、フレームの位置をずらしたりして誤魔化していたのが、解っていると妙に可笑しい。

 そしてもうひとつ、ラストでの市の台詞「誰が殺すか。一生めくらで暮らせ」の後半がざっくり消されてました。それは当然。

 劇場で観た当時はそこまで細かく観ていなかったので、短い期間で繰り返して観ると、実は終盤の展開はちゃんと伏線が張ってあるのにちょっと吃驚したり。浅野忠信演じる用心棒との戦いに心理的な伏線がちゃんと用意してありますし、一見つけすぎに見える悪党たちの背景は、実のところクライマックス手前の描写できちんと仄めかされている。まあ、それでも全体的に緩めの構成であることは事実ですし、知らなくても楽しめるあたりが本編のいいところ。

 流行りの香港アクション風の剣術ものとは一線を画す、重みと本来の残虐性を備えたチャンバラ描写がけっこう好きだったので、個人的には続編を期待してたんですが……本人がやりたがっていない気がします。勿体ない。というわけで、パロディ調らしくもいちおうはアクションも盛り込まれた新作はなるべく観に行くつもりなのですよ。今月は少しは楽に……ならんか。まだ色々あるもんなあ……。

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