『電脳コイル』第11話 沈没!大黒市

 黒客クラブを乗っ取った勇子を見返すべく、ダイチはメタバグ探しに駆け回る。成り行きで知り合った京子を道案内に、勇子を真似てイリーガルからメタバグを採取しようとするが、偶然に発見した金魚状のメタバグに魅せられてしまい……

 前半の主人公はダイチ。馬鹿なお子様の魅力炸裂です。とりわけ京子とのやり取りは素晴らしい。後半における、タマコさんがイリーガルに襲われた直後のコメントといい、今回は台詞が振るっていてナイスです。特にタマコさんにはちょっと惚れそうになった。このシリーズでは屈指のスペクタクルな話――のはずなのに、彼らの言動のお陰で重くならずに終始コミカルな持ち味を発揮しているのが素敵。

 ところで、今回の話を見ていて思ったのは、ここで語られている電脳空間の概念は一種の民俗学的なモチーフの応用という気がします。新しい空間と古い空間という概念や、規則と逸脱する事物、そこから派生する遊戯性などなど、モチーフが独特でデジタルなのに対して、何処か手触りが懐かしいのには、街並の描き方のみならずそういうところも影響しているようです。

 ……しかし、来週は更に暴走してくれそうだなダイチ。逞しくていいぞ少年。

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