『電脳コイル』第13話 最後の首長竜

 カンナに関する調査を進めていた優子とハラケンは、たまたま見つけた古い空間で、首長竜に似たイリーガルと出逢う。デンパが密かに飼っていたこの竜はかつて群れで暮らしていたが、いつの間にか数を減らして、もう一匹になっていた。しかも竜にとって快適な栖であったグラウンドは間もなく工事によって取り壊され、ビルが建つことになっている。優子たちは何とか新しい栖と、そこへ辿り着く道筋を確保しようと尽力した……

 ひたすらお馬鹿SFに徹していた前回から一転、ノスタルジックな方向を突き詰めた正統派ジュヴナイルに回帰しています。前回のようにアイディア盛り沢山ではなく、細かな擽りもタマコが女子高生だったこととフミエの実にみみっちい妨害工作ぐらい、あとはひたすら首長竜をどう逃がすか、という試行錯誤に費やされていますが、それがいい。

 クライマックスの道具立ては非常にオーソドックスですが、その堅実さゆえに、最後はけっこう本気でグッと来ました。『ドラえもん』あたりの定番ネタを『電脳コイル』の世界観で再現した、これもまた秀作です。これを観て虚心に楽しめる子供達がいるなら羨ましいぞ。

 開始以来まったくテンションを落とさないこのシリーズ、次回も楽しみ……なのですが、次は何と3週後。うえええええ。

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