辛抱堪らん連日の映画鑑賞その3。

 連日鑑賞もとりあえず今日で一区切り。今月中の作業の直しが入ってきており、明日は籠もらないといけなくなりましたので、さすがに5日連続はなくなりました……でも土曜日は行く気満々なのです。

 普通の通勤客に紛れて、結果として3日連続となる六本木訪問。ジャッキーと松田龍平には申し訳ありませんが、私にとってきのうまでは前哨戦に過ぎませんでした。私が今週、本当に観たかったのは、これなのです。超絶企画もの映画グラインドハウス』(Broadmedia Studios・配給)

 ちょっと詳しく説明しておきますと、“グラインドハウス”というのは60・70年代にアメリカで隆盛を誇ったインディーズのB級映画群の通称で、無名の俳優中心に低予算で扇情的な内容で作られ、場末の映画館にて二本立てで上映されることが多かったそうです。B級映画をこよなく愛するクエンティン・タランティーノロバート・ロドリゲスの盟友ふたりが、現代にこれを蘇らせんと企画したのが本作品。それぞれに「これぞB級映画」と信じるものを撮影し、フィルムにわざと傷をつけ、よくある現象として途中のリールを紛失したような状況を設定し、更にはいかにもという雰囲気の、実在しない映画の予告編を合間に挿入し、とことんまでその空気を再現することにこだわったわけです。

 まさにこのふたりらしい稚気と映画愛に満ちた企画だったのですが、如何せん、まともに作って二本立てにしたために全体で3時間を超えてしまい、一般観客を集められず、本国では興収的に失敗してしまった。そこで、外国で公開するに際して、泣く泣くカットした場面などを復活させて尺を伸ばし、別々に分けることにした。それが今週末に公開されるクエンティン・タランティーノ監督作『デス・プルーフinグラインドハウス』であり、22日公開のロバート・ロドリゲス監督作『プラネット・テラーinグラインドハウス』なのです。

 が、わざわざ凝って作った当初の体裁を惜しむ声がマニアのあいだから出ていたこともあってか、単独のロードショーを前に、一部の劇場にて一週間限定で本来の二本立て、フェイクの予告編も含めた状態にて、イベントとして上映されていたのです。

 何せ本国での動向をずーっと見守ってきて、別々での上映が決まったときも若干残念に思いながら喜んでいたくらいなので、オリジナルの体裁での上映は是が非でも押さえなければ、と念じていたのです。実は今週、これ1本を押さえるつもりでいたのですが、火曜日は朝一番の回の上映がなく、きのうは夜の予定に合わせることが出来ず別作品に切り替え、本日ようやく鑑賞した次第。

 待望の鑑賞だったわけですが、中身はその期待を凌駕するほどに素晴らしい出来でした。異常なこだわりと芸術性が共存して、完成度が狂ったレベルに達している。3時間強、愉しくて愉しくて仕方ありませんでした。ここしばらくなかなか映画鑑賞に行けずフラストレーションが溜まっていましたが、3日連続のトドメにこれを観られただけで完璧に渇が癒えた気がします。……それどころか少し落ち着いていた映画熱がまた昂じてしまいそうで、それはそれでやばいんですが。とりあえず、どの辺りを膨らませたのかに興味があるので、後日双方単独のヴァージョンもちゃんと鑑賞します。改めて惚れたぜタランティーノにロドリゲス。

 鑑賞後は秋葉原に赴いて軽くお買い物。今週末で閉店するヤマギワソフトに、予約したものを引き取りに行ったのですが……内部の閑散とした有様が実に切なかった。売り切ったり、在庫をソフマップの新しい店舗に移したりしているから棚が寂しくなっているのだ、と承知していても、なかなか辛い。先日、最後のWポイントデーに予約した分は、ソフマップに移行してもWポイントになるそうですが、この制度が無くなったら別の店に切り替えてしまうかも。

 ……と、今日で満足したようなことを書きつつ、故あって来週も2日連続で鑑賞することがもう決まっていたりする。来月はなんだか仕事以外でも忙しいぞおい。

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