『3年B組金八先生第8期』第5回

 クラスでも一番成績の悪い光也が、突然成績を気にしておかしなグッズを購入してきた。金八先生が理由を訊ねると、工務店への就職が決まっていたはずの彼が、“人のためになる仕事だから”と教職を志したというのである。親でさえ馬鹿なことを、と言うような無謀な目標であったが、金八先生は笑わずに協力を誓う。そんななか、父親との確執が原因で引き籠もっていた憲太郎が、夜に出歩いているところを目撃され、金八先生は彼の追い込まれている状況を理解する……

 いよいよ感想を書くことがなくなってきました。本当に、どんどんやっていることが正しくなってるんだもの。旧シリーズのような無茶な展開を無くし、授業や家庭訪問による生徒とその家族との交流で教育というものの問題点、本質に踏み込んでいく正攻法の話運びは頼もしい限り。成績最低の生徒が教師を目指す、という新しい要素を持ち出しつつ、引き籠もっていた生徒の問題を急激にではなくじっくりと解決に導いていく手管もうまい。

 しかし、正しいことは正しいのだけれど、相変わらずどうも観始める直前までは気乗りがしない、牽引力の乏しさは解消されていない。前シリーズまでにあった、全体を貫くものを排除した、あるいは今のところ積極的に見せようとしない手法が、もともとあった金八先生の説教臭さを加速させて、どうも鬱陶しい気分にさせてしまう。ちゃんと観れば色々と解きほぐされる快感が味わえるのですけれど、それが魅力になるところまで持ち込めない。

 旧シリーズのような行きすぎた表現には苦い思いをしていただけに評価はしたいのですが、でもそれすら魅力にしていたレベルにはまだまだ達していないというのが正直なところ。もう少し何かが欲しいなー。

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