『ガリレオ』第五章 絞殺(しめ)る

 今度のケースは、いわゆる密室殺人。ホテルの一室で矢島という男が絞殺されていたのである。男には多額の生命保険がかけられていたことから、妻が容疑者と目されるものの、彼女には犯行当日、現場から遠く隔たった長野にいた、というアリバイがある。生徒の恋愛相談に煩わされる湯川だが、彼の扱いに慣れはじめた内海は、現場で火の玉が目撃された話を持ちだして彼を引っ張り出す……

 水野美紀大後寿々花が母子という魅力的極まりない配役による、これまでで最も正統的な“不可能犯罪”を採り上げた1話。とはいえ仕掛けと事件の方向性は直感的に察せられてしまうのはこれまで通りなのですが、湯川の身辺の出来事と事件の内容がうまくシンクロして、告白部分のインパクトに繋がる演出は見事です。一見、事件の処理の部分が御都合主義に感じられますが、告白した人物と事件との関わり方や残された証拠品の性質から、現実であってもああなる可能性は高い。そういうところまで含めて私は好感を抱いてます――やっぱりドラマが終わるまで原作は読まない方がいい気がする。湯川と内海のやり取りも、多分東野圭吾氏の作風からすると、原作ファンには度しがたいものがあるのでしょうが、純粋にコメディ込みのミステリ・ドラマとして鑑賞している私にはいいスパイスに感じられてますし。

 さて、来週はゲストが堀北真希。『アカネ』『花ざかりの君たちへ』『出るトコ出ましょ!』とコメディづいていただけに、基本コメディチックな作りをしているとは言え終盤をシリアスに締めるこのシリーズへの登場が、事件の内容とは関係なく楽しみです。

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