『ARIA the ORIGINATION』第7話 その ゆるやかな時の中に…

 ARIAカンパニー創設記念日に、灯里とアリシアは先輩であるアンナを訪ねてプラーノ島へと赴く。会社を寿退社したアンナは、ウンディーネという仕事とかけ離れた環境での苦労と、新たに得た幸せについて灯里に語るのだった。そこへ、ひょっこりとグランマも現れ、期せずしてARIAカンパニーの同窓会が催されるのだった……

 限定版を買い逃してしまったために、未だ最新巻を買うきっかけが掴めずにいるのですが、このエピソードAパートは原作で語られているのでしょうか。この作品で欠けていたのは、明確な“家族”というヴィジュアルだ、と思っていたので、こういうエピソードを提示してきたことにちょっと感心。というか……この流れ、間違いなくアニメ版もこのシリーズで完結することを狙ってるな、どう考えても。

 着眼は、灯里が現れる前のARIAカンパニーの姿を窺わせると同時に、ARIAカンパニー創設のきっかけを描いている点です。Bパートに当たる創設譚は原作で番外編に位置づけられているものですが、こういう形で織りこむのは巧い。アンナが退いた理由、グランマが会社を興した動機、そしてその先にある灯里が中心となる“ARIAカンパニー”の姿を暗示する話運び。脚色と言うよりも構成の技ですが、それだって過剰に手を加えず、しかしきっちりと噛み合わせるのが容易ではないのは、どこぞの作品と並べても明白です。

 だが話の内容とかあれこれ以前に、作画と演出の質がまったく落ちていないのはどういうことだ。やっぱりこのシリーズにはスタッフの本気を感じます。

 ただ……若かりし日のグランマ=秋乃さんの声は、さすがに別の人にやらせたほうが良かったんじゃなかろうか……。どうしても声の艶のなさが際立ってしまうんだよなー。さすがに巧みに演じてはいるのですが。

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