『パズル』第1話

 病欠の英語教師の代理として赴任した鮎川美沙子は、見た目こそ若く愛らしいが、実年齢はかなり上、しかも大人の前では上品を装っているが年下に対しては粗野な態度を取り、しかも異常に欲深い。生徒のひとり・今村が遺産騒動に絡む相談を持ちかけられたのを嗅ぎつけると、金儲けのチャンスとばかり飛びつくが……

 なんでテレビ朝日は金曜日にふたつもミステリドラマを始めたのでしょう。しかもプロデューサーは『TRICK』の人で、初回のシナリオライターはいずれも『TRICK』を手懸けていた人物。いまいち意図が理解できません。

 内容のほうも、いまひとつ針の振り切れていない『TRICK』という趣でした。小ネタを鏤めているわけでもなく、事件や仕掛けとのリンクがいまいちだし、そもそも事件の動機や展開が雑でミステリとして締まりがない。謎解きものとして期待するとかなり落胆します。

 ただ、主人公たちのキャラクターややり取り、演出の呼吸はいい。その辺は『TRICK』のノウハウを上手く活かしています。というか、どうも見たところ、『TRICK』のマジック主体というフォーマットに飽きたのか限界を感じたのかして、暗号というアプローチを中心に再構築した、という印象がある。

 そう考えると実に冒険に乏しいのですけれど、鮎川の妙に緩い計算に基づく二面性とか、勉強しか出来ないお馬鹿どもという造型とか、その辺が楽しいので、当面お付き合いしてみましょう。……今期はあんまりドラマはチェックしてなかったのに、よりによって金曜日に固まったか……。

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