『ゴルゴ13』Target.12 TOUCH DOWN

 アメリカン・フットボールの試合中、活躍が期待されていた新人ライオネル・ブルーが額を撃ち抜かれて絶命した。所轄のボルチモア警察は現場で捕まえた東洋人がゴルゴ13であると睨み、科学捜査で追い詰めようとするが、古いタイプの刑事ルーはその方針に反発し、単独で動きはじめる……

 先進的な科学捜査と、老刑事の直感的な捜査が次第に軌を一にしていくさまを描いた、推理小説的なエピソード。それはそれで好みなんですが、ちょっと弾道テストの流れとかが大雑把だったのが気になります。そして、普通このくらいのことならFBIもやってそうだが。

 発想は概ねいいのですが、しかし科学捜査を行う部屋のデザインとか病院の監視システムとか、ちょっと行きすぎた御都合主義を感じさせてしまうのが残念。データなんだから、バックアップが存在すれば結局追い詰められるでしょうに。まあ、そこまで把握しているからこそああいう起死回生の策を取ることが出来るゴルゴがすごい、ということにもなりますが。

 やっぱり背景がアメリカっぽくなかったり、3DCGによる乗用車の動きがどうにも不自然なのが引っ掛かりますが、作画的にも水準をクリアしているので、普通に楽しめる話ではありました。

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