『ゴルゴ13』Target.17 残光

 ホノルルで、マフィアの大物ゴメスが狙撃される事件が起きた。調査に赴いたのはFBI捜査官レオン・ゴールドマン――6年前にゴルゴを追い込み、ギリギリのところで取り逃がした経験のある人物であった。鮮やかな手口に、レオンはふたたびゴルゴの暗躍を疑う。だが、そう察したレオンは、意外な行動に出る……

 また、これまでと趣の異なる1話です。強いて言うならTarget.15に似たアプローチ。凄腕の暗殺者の技術ではなく、その存在自体を鍵に拡げていくタイプの話です。超絶技巧を駆使した頭脳戦が理想なのですが、こういう話も個人的には好き。ゴルゴのプロフェッショナルとしての冷酷さと、同様にプロでありながら人間性を捨てられない男との交錯が描かれる。

 不条理な結末ですが、しかしやはりこれもゴルゴというあまりにも徹底したプロに遭遇してしまったがゆえの悲劇と言えましょう。相変わらずほとんど語らないからこそ、この結末は沁みてくる。

 話の筋としては概ね不満はないんですが、いまいち年齢の解りにくい作画が気になります。レオンの奥方が若い、という設定に、本人が言及するまで気づけないというのはどうだろう。デザイン的にそんな違うようには見えないんだもの。

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