『薬師寺涼子の怪奇事件簿』ファイル09-A 芝の女王

 泉田がしばらく前に観た悪夢が発展した――しかしその朝、登庁した泉田にもたらされたのは、涼子がしばらく来ないという朗報。そんな彼を、涼子のライヴァルである室町由紀子が呼び出した。公権力も手を出せない“芝の女王”が暗躍をはじめたらしく、その情報を求めているらしい――そんなさなか、マスコミがにわかに薬師寺涼子を叩きはじめた……

 ……あー、手をつけてはいけない領域に入り込んでしまった。このシリーズはマスコミと別次元で公権力を嘲笑うことが出来たからある意味超然としていられたのであって、相手が同じ手段を使うとどうも焦点がぶれてしまう。それにこの状況から何事もなかったかのようにお涼本来の立ち位置を取り戻させて不自然でないようにするのはあまり容易な業ではありません。大丈夫かしら。

 ただ、そろそろクライマックスに差しかかっているせいか、色々と詰め込んで盛り上げようとしている姿勢は好き。知恵者というよりは無思慮な行動にしか今のところ見えないのが気になりますが、あれこれ言うのは今回、ラストで提示したアレをどーするのか見届けてからでもいいでしょう。……本当に大丈夫かねえ。

 アニメ版ではあまり出番のなかった室町警視の露出が増えていたのは幸いでした。……ダブルミーニングです。

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