『地獄少女 三鼎』第五話 うつせみ

 人の好い教師・新山は、運搬中にビーカーを割ってしまった生徒・片瀬を叱責することなく、逆に怪我のなかったことを喜ぶ。しかし片瀬の祖母は、孫の心を傷つけたと声高に新山を糾弾しはじめた。同僚たちは新山に落ち度がないことを理解していたが、深夜の電話、ビラ配りなどエスカレートする行為に、新山はストレスを重ねていく……

 引き続き本日放送分。お出かけで疲れ果てて見過ごしましたがすぐに録画で鑑賞したのです。

 前回はあれ? という感じでしたが、今回はふたたび悪くない仕上がり。モンスター・ペアレントという題材をちゃんと使ったうえで、ラストにちょっと意外な成り行きを持ってきて印象づけている。今回の主人公たる教師は決して環境的には追い込まれていないのですが、それでも地獄送りを求める動機付けがあって、かつ人物像と矛盾していないのも好感触。

 しかしこのシリーズでは毎回意地でも地獄コントを導入する気なんだなー、と思っていたら、さすがに今回は趣旨と合わないと判断されたのかスルーされたのが残念……に感じるほど毒されている。この場合、地獄送りがどのようになされたのか解らないほうが厭な感じを増幅されるので、正しい判断だと思います。思うんだけどさ。

 絵の出来は前回よりもへたってましたが、あまり派手にしない演出とも相俟ってそんなに気になりませんでした。個人的にはもう少し祖母の挙措に気品を添えて、絵が丁寧であれば更に薄気味悪く、かつ最後の余韻がいやーな具合になって良かったのでは、と惜しまれるんですが。

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