『イノセント・ラヴ』第四話

 殉也の誤解も解け、佳音は晴れて彼のもとで働き続けることが出来るようになった。しかも、殉也の紹介で彼の働くピアノバーでのバイトも始め、佳音は好きな人の傍にいられる喜びを味わっていた。だが、佳音は殉也に自分の兄・耀司のことを話すことが出来ず、殉也に対しても兄に対しても罪悪感を抱く。一方、聖花を手にかけようとした昴は、殉也に許されたものの、聖花の存在が殉也を束縛している、という意識は変わらず、煩悶していた……

 登場人物が出揃ったことで、ようやく順調に話が動きはじめた感じです。佳音の過去について何らかの秘密を抱いていると思しい兄の剣呑な行動に、昴の複雑な胸中、そして殉也に急接近する佳音について警戒した美月の反応、そして殉也の際立つ人の好さ、などなどが絡みあって、どんどん厄介な方向に進んでいます。

 ただなー、と首を傾げるのは、耀司の行動まわりがちょっと雑すぎること。仮釈放中は周囲の眼が厳しいのだからそのぶん慎重に行動しなければならないのに、いくら妹を愛するあまりとはいえ極端な言動が多すぎる。こと今回の場合、ラストの行動は昨今のセキュリティ事情を考慮すると無理がありすぎます。そもそも仮釈放中は保護司への連絡義務などが厳しいのに、収容されていた少年刑務所から遠い横浜での滞在を許されていることからして変だったんですが、一つ二つくらいは許容できても、ちょっと不自然なところが多すぎる気が。

 しかし、少なくとも佳音と殉也が惹かれあう必然的な背景はうまく組み立てられているようです。あからさまにソープドラマ一直線ですが、個人的にこーいうのがたまにはあってもいいと思う。また、聖花の表情の使い方とか、鏡を駆使した演出の統一感とか、実は小技が綺麗に活きているのも私は買っている。そんなわけで、とりあえず最後までは観続けることになりそうな状況です。

 ……とはいえ、何よりも気懸かりなのは、どうも前回で覚えた厭な予感が的中していそうなことだったりする。それは出来れば避けて欲しかった方向なんだけどなー……

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