『イノセント・ラヴ』第六話

 聖花が突然、危篤状態に陥った。絶望に打ちひしがれた殉也は一時行方をくらますが、佳音の励ましで聖花のもとに戻る。今夜が峠、と言われた聖花はしかし、そんな殉也の意識の変化に力を得たかのように小康状態を取り戻した。一連の危機を経て、殉也は佳音の存在を大きく感じるようになり、二人の絆は急速に深まっていく。しかし、そんな佳音を、過去の記憶が少しずつ蝕みはじめていた……

 ところどころ不自然な部分はありますが、この話、概ね堅実に進んでいます。ただ、月9ドラマとしては致命的にトーンが暗いのだな。視聴率が下降気味なのも、まあ仕方ないという気はする。

 初登場時点では悪党風だった記者が、強引ではあるもののわりと誠実に動いているのが現在ちょっとした驚きなのですが、そのお陰で物語が殉也と佳音から過剰に逸れずに済んでいる。記者があまりに悪役然として動いてしまうと、そうでなくとも佳音と殉也のあいだには二人も障害が存在しているのに、更にややこしくなりますから。当初怪しんでいた構成も、こうしてみるとけっこう配慮があったらしい。

 そして前回、本当にそれでいいのか? と思っていた部分は、今回のラストで私が当初予測していた方向に炸裂しました。良し、それでこそ正統派メロドラマ。派手さはないものの、きちんとサスペンス風に緊張感を盛り上げる演出も出来ています……なんか、根本的に月9でやるのが間違いだったように思えてきてますが。もうちょっと準備期間があって、別の時間帯だったら評価は違ったのではなかろうか。

 ともあれ、ある意味いちばん厄介な局面に突入してしまいましたが、あと3・4回でどう決着させるのやら。

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