霙中行軍。

 映画鑑賞のペースが遅くなって、感想のアップも遅れがちという現状が証明している通り、現在かなりいっぱいいっぱいです。しかし、そうこうしているあいだに観たいものがどんどん溜まっていくし、先週は体調不良に加えてグラフィック・ボード死亡という出来事もあってフラストレーションも溜まってきて、もうこらあかん、という心境に。日曜日、無性にたこ焼きが食いたくなり、わざわざアリオ西新井にある銀だこで買うついでに、本日夕方からのチケットを二枚、押さえておきました。何故今日だったかというと、雪の予報が多い中、近日中で唯一曇りのマークが並んでいたから。

 ……しかし、朝方から予報が一変。夕方から雨か雪、という流れになり、いちどは電車での移動を決断したものの、出かける時刻には若干落ち着いていたので、ええいままよ、とばかりバイクにて出発。空気は冷えるものの、とりあえず往路は無事に過ごしました。

 1本目は、28歳の若さで急逝したヒース・レジャーが最期まで撮影していた作品であり、その後彼と親交のあった面々がフォローすることでどうにか完成に漕ぎつけた、奇才テリー・ギリアム監督最新作Dr.パルナサスの鏡』(Showgate・配給)

 さすがにつぎはぎ感が否めない、といった評価をあちこちで目にしたんですが、つぎはぎというよりは、そもそも脚本の段階であった問題が、ヒースの死によってフォローしづらくなった、という気が。そして恐らくは、エンディング部分もちゃんと撮影していなかったために、視点が揺れ終盤にも居心地の悪さが残った、と。しかしそういう歪さが、結果として唯一無二の魅力になっているように思えました。想像力、というよりは悪夢的なヴィジュアルも印象的で、これはこれでいい映画です。特に薦めはしないけど。

 20分の間をおいて鑑賞した2本目は、ブルース・ウィリスと『ターミネーター3』の監督&脚本グループが手懸けた近未来SFサスペンス、人間が家に籠もり、ロボットを介して社会生活を送るようになった世界で起きる犯罪を描いたサロゲート』(WALT DISNEY STUDIOS MOTION PICTURES. JAPAN・配給)

 こーいうやたら大きな器を用意したSF映画は昔から好きなので楽しみにしてました。で、前半まではけっこう傑作かも、と思いながら観ていたのですが、話が進むにつれてあらららら、という感じに。気持ちは解るんだが、もう少し首謀者の行動に芯が通っていないと、カタルシスに繋がりません。最初の事件で提示された魅力的な要素もそれ以降あまり掘り下げていないし、どーにももったいない仕上がりでした。サロゲートの腕がもげた状態での捕物あたりまでは良かったんだが。

 既に店じまいを始めた劇場から出てみると、……みぞれ交じりの雨。久々にカッパを取り出して着込み、曇るヘルメットに視界を奪われながら、ことさらに慎重に家路を辿りました。しかし、夏場に着ると蒸れて却って中が濡れてしまうというこのカッパを着用すると思いの外暖かく、行きよりも手足がよく動いたのでありました。

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