TOHOシネマズの3D上映方式が変わりました(一部劇場)。

 今週は連日映画館通いを続けております。本日も本日で、新作封切りのため、またしても六本木へ。……駐輪場の惨状に、思わず警備担当者を呼び出して説教してしまい、時間を取られましたが、何とか本篇には間に合ったぞ。

 本日の作品は、4年振りとなるシリーズ最新作、永遠の命を与える泉を巡る冒険を描いたパイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉(3D・字幕版)』(WALT DISNEY STUDIOS MOTION PICTURES. JAPAN配給)。感想は既に書き上げたので、このあと詳しく。簡単に書いておくと、やや地味になりましたが、新しいシリーズの皮切りとしては上々だと思います。

 それよりも、ここで言及しておきたいのは、3D上映の方式についてです。

 TOHOシネマズ系列ではこれまで、XpanDという方式を採用していました。これがぶっちゃけ、評判が悪かった。かなりごつい3D眼鏡を入口で借りて、鑑賞後に劇場に返すのですが、異様に重く、着け心地が非常に悪い。眼鏡の仕組みの問題なのか、画面が暗く見えることも不興を買っていたようです。

 それが、今回の『パイレーツ〜』新作から、違う上映方式が採用されました。masterimageという名称で、既に東急レクリエーション系列で用いられている、3D眼鏡を配布するタイプのものです。予め調べてみたところ、廉価ながら比較的クオリティは高いようで、評判も上々でした。

 で、実際に鑑賞してみて、私自身の印象はどうだったか、というと……正直よく解りません。何故なら、配布される3D眼鏡が、普通の眼鏡の上から装着するには無理がありすぎるデザインだったのです。

 基本的に立体視にあまり問題はない。しかし、とにかく眼鏡が安定しない。鼻の上で引っかけることしか念頭に置いていないデザインなので、どうやっても落ちてきてしまう。また、これは他の3D方式でも言えることなのですが、顔に直接かける場合よりもレンズの位置が自分から見て奥になるせいか、どうしても若干焦点が狂い、場面によって二重に見えてしまう。こうしたことの積み重ねで、鑑賞していてストレスが溜まる。目の疲労も、幾分慣れつつあったXpanDに比べると強く感じました。これはちょっと、集中して観ていられるレベルではない。

 と、ここで私はちょっとした実験を試みた。以前にユナイテッド・シネマ豊洲にて3D映画を鑑賞したとき、通常の眼鏡に装着するタイプの3D眼鏡を購入しており、それを試しにかけてみたのです。まあ、あちらはrealDという方式で、システムの供給元が違っていますから、うまく立体視できなくても仕方な

 ……………………ちゃんと立体に見えました。

 最初はやや画面がちらつくような感覚がありましたが、とりあえず線が二重に見えることはない。劇場が正規に供給しているものより立体感が劣るような気がしますが、概ねちゃんと立体に見えます――ただ、正直に言って、映画自体が決して立体感を強調するような作りをしていたわけではないので、ちゃんと比較できていたか正直怪しいところです。たとえば『ヒックとドラゴン』ぐらい距離感の際立った作品だと、却って充分に立体感が味わえるのかも知れません。

 何にしても、劇場で貰った3D眼鏡はあまりに装着感が悪いので、最後のほうはrealDの3D眼鏡を使って鑑賞していました。慣れてしまえばほとんど問題なし。やや立体感が乏しくなりましたが、特に3Dに拘りがなければ、realDの眼鏡を持ち込んでも良さそうです。

 ……いや、良くはないな。観客にとっては良くても、劇場にとってはいいはずがない。立体感が存分に堪能できないとなれば、『パイレーツ〜』のように3D、2Dを同時でかけている作品の場合、けっきょく2Dに流れてしまいます。やっぱり、通常の眼鏡着用者にも配慮したサーヴィスを願いたいところです。

 そもそも、masterimageって後発のシステムのはずなのに、先行のシステムの使い勝手や、観客にどういう配慮をしているのか、ということをちゃんと調査したんでしょうか。調べていれば、通常の眼鏡着用者への対策も講じたはず。劇場側も、そういうことには気を配っていていいはずなんですが……。TOHOシネマズって、どうもこういうところのツメが甘い気がします。システムを変えるなら、それまでのサーヴィスの問題点もちゃんと考えて導入しましょうよ。

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