『死者との結婚』芦辺拓×京極夏彦×唐沢俊一トークイベントつき上映。[本格ミステリ作家クラブ10周年記念企画『美女と探偵』(6)]

 この企画も残すところあと一週で終了です。先週は久々に封切り作品を必死に追っていたために『「空白の起点」より 女は復讐する』以外鑑賞できませんでしたが、せめてイベントは、とまたしても朝からチケット確保に駆けつける。……同日発売だった別のイベントのチケットを近くのローソンで確保すべく頑張ってからだったのですが、そっちは駄目でした。先々行、先行予約と3度挑戦して全敗……敷居が高すぎる……。

 ともあれ、こちらのチケットは無事に確保出来たので、夕方に再度移動。まず上映作品は、ウィリアム・アイリッシュの小説をもとにしたサスペンス映画『死者との結婚』(松竹大船配給)。もとがアイリッシュなので、四国を舞台にしつつも話運びは大変スタイリッシュ。偶然から、名家に嫁入りする女と入れ替わってしまった女が、罪の意識を感じながらも、手に入れた平和な生活を手放せず懊悩し……という、序盤は血腥さの乏しい内容ながらスリリングな展開で、最後にはちゃんと事件、そして意外な真相も繰り出される。この企画、やっぱりいい作品選んでます。

 終了後、5分の休憩を挟んでトークイベント。毎回登壇の芦辺拓氏に初回以来の唐沢俊一氏、そして京極夏彦氏のお三方です。

 話は京極氏を中心に展開したのですが、さすが、というべきか、趣味がやたら多岐に亘り、肝心の映画の話に入るまでが長い長い。自分は“お化け”のほうで呼ばれてばかりで、実は本格ミステリ系のイベントに招かれるのは珍しい、とか、付き合いは芦辺氏のほうが古いのに何故か唐沢氏経由で呼ばれた、とか細かな笑いを交えつつ、妖怪への関心と日本にいわゆる“探偵”像がどのように定着したのか、という考察――というよりは思いつきで喋っていただけのようですが、しかしさすがの該博な知識に支えられた話は妙に説得力があります。最終的に妖怪も変態も探偵も一緒だった、という結論に達したときは、芦辺氏も仰言っていたように“Q.E.D.”という文字が脳裏に浮かんだほどでした。

 と、話自体非常に愉しかったのですが、今回トークイベントはなるべくメモにとるようにしていた私には、3人のマシンガンじみた口数の多さゆえに、大変往生しました……途中何度か気が抜けてしまうくらいに。

 当初、そのまま新宿に移動して、時間を潰してから深夜のイベントに参加しようと思っていたのですが、どこで食事を摂るのか考えるのが面倒臭くなって、いったん帰宅して3日目のカレーを堪能、服も着替えてからふたたび外出。続きは、26日付にて記します。

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