図らずも、2日連続オリヴェイラ。

 毎週土曜日は封切り鑑賞の日……なんですが最近もうそんなことは言っていられない。とりあえず、心残りをひとつでも減らすことを考えて、優先順位の高いものを拾うようにしてます。今日もその基準で鑑みて、短めの作品を併せて2本立てにするつもりだったんですが、色々あって1本だけになりました。……もう面倒なんで省略しますが、まだまだ問題ありますTOHOシネマズ日本橋は。

 で赴いたのは、神保町にある岩波ホール。由緒あるミニシアターですが、どうもなかなか立ち寄るきっかけがなく、今回が2度目の訪問。しかも同じ監督の作品、というあたり、私の行動原理が窺い知れようものです。

 作品はというと、別に狙ったわけではなかったんですが、きのう自宅で観たのと同じマノエル・ド・オリヴェイラ監督2012年の作品、貧しい一家に起きた事件を極めて淡々と、しかし緊張感をもって描き出した家族の灯り』(alcine terran配給)

 きのう観た『メフィストの誘い』も舞台は狭かったんですが、こっちの比ではない。舞台はほぼ部屋ひとつ、しかもカメラもさほど動かず、たぶんどれほど細かく勘定しても、指で数えられる程度の構図しかない。なのに情感豊かで、緊張感に充ち満ちている。題名とキーヴィジュアルの印象に反し、やたらと陰鬱な話ですし、結末にも救いはないんですが、相変わらずシンプルだからこその饒舌な余韻にしばし痺れてしまう仕上がり。基本的に、ひとに薦めようとは思わないんですが、私は大好き。わりと頻繁に輸入されているほうですが、それでもまだ日本で正式公開されていない作品がけっこうあるので、何とか持ってきてもらえないものか。

 ちょっと遅めに帰宅……とは言い条、朝一番で少し長めの作品を観たときと同じくらいの帰り時間ですから、映画感想を仕上げる時間はあったはずなんですけど、未だに眼の調子は悪く、ほどほどに休めながらモニターを睨んでいる状況ゆえ、無理に進めるのはやめました。4月いっぱい、下手をすると5月中旬くらいまでこんな感じになる可能性が高いのですが、気長にお付き合いください。

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