患者よりも混乱している。

 本日は、定期的に訪れているのとは違う病院へ。とはいえ、この春に手術をしていただいたところですから、要領は解っている――はずだったのですが、この4日から事情が変わったようです。前々から建てていた新しい本館がオープンとなり、総合受付や外来対応など、メインの機能がそちらに集約された。

 父もこの数年お世話になっているところでして、今までの迷宮然とした作りにはけっこう悩まされてきました。なにせ、渡り廊下を越えると階数が変わるんですから、慣れるまで困る困る。看護師さんでさえ、説明に苦慮するぐらいだったのです。ですから、入口を改め、外来の診察室がかなり解りやすいところに移っていたのは、患者としては大変に有り難い。

 しかし問題はむしろ、勤務しているひとたちの混乱ぶりでした。迷わないよう、警備員のかたに事務員のかた、みんなやたら熱心に説明してくれるので、患者側はそんなに困らないのですけれど、すべての配置が変わったことで、明らかに医師や看護師のほうが混乱している。受付を済ませて移動したら、所持した紹介状をスキャン出来るのが総合受付しかない、と言われたので廊下を戻らされたり、この番号の診察室の前で待っていてください、と言われたので待機していたら、私の担当医師はずっと手前の診察室だったり。途中、白い杖をついた年輩の方が付き添いと一緒にいらしたのですが、ちょうど付き添いの方が席を外しているあいだに呼ばれ、誰も誘導してくれないのでしばし立ち往生していたり。前の診察室の構造だと、看護師のかたの目が届いていたので、そういう患者さんがほったらかしにはなりにくかったのですが、なにせ診察室の向こう側では相当に混乱しているようで、そこまで気遣いが行き届かないようです。

 肝心の私の診察は、主旨がはっきりしているのでごく短時間で終了。本当ならそのまま検査に行っても良かったのですが、昼前から体調が思わしくなく、早く帰ってひと眠りしたいので、その日取りも設定してもらって診察室をあとにした。

 しかし混乱はまだ会計のところでも続いていた。前は計算窓口にファイルを提出したあとは、診察の整理番号が表示されるのを待って、自動精算機で支払を済ませるのですが、新しくなった窓口は、会計が有人になっている。名前が呼ばれたら窓口へ、と言われたので待っていたのですが、なかなか呼ばれない。……会計窓口に人気がなくなっても呼ばれない。ようやく呼ばれた、と思ったら、検査の日取りを記した予約票を渡されて、これを持って自動精算機へ、と言われました。……却って手間が増えてる。

 実のところ私は、たまたま2日前に父が体調を崩し、急遽入院する運びとなり、付き添った母がまさに機能が移転したばかりの混乱を目の当たりにしていたから、さほど戸惑うこともなく、館内の小綺麗さに似合わない妙な慌ただしさを冷静に観察できましたが、いきなりこの状況に出くわした方はけっこう苛立ったのではないでしょうか。早いところ落ち着いてくれることを願います。

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