『共犯』初日舞台挨拶付上映at新宿武蔵野館。

 昨年、東京国際映画祭にて鑑賞した台湾発の青春ミステリ映画共犯』(Zazie Films×MAXAM配給)が本日より一般公開されます。昨年の映画祭で特にお気に入りの一本だったこともあり、是非とももういちど鑑賞したかった作品なので、封切り当日、舞台挨拶つきの初回上映のチケットを昨日時点で押さえておきました――この計画が、新宿に自転車を1日置き去りにするそもそものきっかけだったりしますが。

 まずは本篇。既にいちど観ていると、序盤がちょっと間延びしている印象を受けてしまうのですが、中盤でふたつめの“事件”が起きてからの吸引力が凄い。出来事としては特異なのに、登場人物たちの行動が理解できて、取り返しのつかない成り行きに胸の詰まる想いがする。やはりこれは青春ミステリの傑作と呼んでいいと思う。ミステリではあるんですが、謎を飲み込んでしまうほどにドラマに厚みがある。

 上映終了後の舞台挨拶、登壇したのは作中、物語のきっかけとなる、転落死した少女シャー・ウェイチャオを演じたヤオ・アイニン。本篇でも清澄な可憐さのある女性でしたが、実物も当然ながら可愛い。愛称は“ピピ”だそうなので、以下はそう記すことにします。

 ピピ曰く、作中で演じた少女は、本人のプライヴェートと振る舞いが近く、演技経験は乏しいながらもあまり難しくはなかったのだそう。ただし、彼女が役に入り込めるように、と配慮した監督が、現場では意識的にピピを放っておき、1人で音楽を聴いたりするようにさせたので、撮影中はけっこう寂しく、監督が怖かったのだとか……まあ仕方のないところでしょう。役柄ゆえに、他の出演者との交流も少ないので、むしろキャンペーンでこういう場に出ることのほうが楽しいのではないだろうか。

 舞台挨拶は次の回の上映前にも行われるので、コンパクトに済ませるだろう、と推測していたのですが、本篇の尺が短めだったお陰もあってかけっこう余裕があり、最後には観客からの質問を受け付ける場面も。ピピはたどたどしいながらも少し日本語を学んでいて、今後は可能であれば日本でも活動する意向があるそう。

 日本での公開が発表されたときから「当たってくれたらいいなー」と思ってましたが、久々に再鑑賞して、改めて名作だと実感しました。これは本当に当たって欲しい。出来ればミステリクラスタのひとに観て欲しい。

 鑑賞後は書店で軽く買い物をしてから、1日ぶりに自転車を引き取って帰宅……もしかしたら、炎天下にペダルを漕ぐのが片道だけで済んだのは幸いだったかも知れません。いちおう帽子着用、首に濡らしたスカーフを巻き、スポーツドリンクをちびちび口にしながら、と出来る限りの対策を打ったので、いまは問題ありませんが、家に着いた直後はグロッキーでした……。

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