第28回東京国際映画祭5本目は、高倉健です。

 一夜明けて、またぞろ第28回東京国際映画祭を観てまいりました。TOHOシネマズ新宿、スクリーンも同じ5番。劇場内で寝てっちゃダメだろうか、とけっこう真面目に考えました。

 今年の東京国際映画祭高倉健の追悼として、代表作を特集上映しています。この人くらいになるとリヴァイヴァル上映はそんなに珍しくないんですが、折角なので観ていない作品のなかから、スケジュール的に無理のないものを選んで鑑賞。作品は石井輝男監督作、日本最北にある刑務所に収容されたヤクザ者の姿を、人情も交えつつドライに描いた網走番外地(1965)』(東映配給)

 古い日本映画はわりと例外なくモサッとしていて、本篇も例に漏れずテンポが遅い。しかし、そこに王道のドラマをちりばめながら、終盤には運命のいたずらとしか思えない波乱もあって最後まで引きつける。あんまりベタベタしすぎない人情が味わいの佳作でした。

 作品とは関係ないんですが、鑑賞中ずっと気になって仕方なかったのが、振動です。シネコンでは、近くのスクリーンで爆発のシーンなんかがあると、音響がもたらす振動が伝わってくることが珍しくないんですが、それにしても頻繁だし気になって仕方ない。

 原因は、隣接するスクリーンがMX4D仕様になっていることにある。音響だけでも近接するスクリーンに影響するのに、場内の座席が実際に動くようなスクリーンがあればそりゃ影響は大きくなります。こちらの映画が騒々しければまだしも、本篇くらいだと、しばしばこの振動を意識せずにいられなくなる。地震だと誤解するほどですが――まあ、本物の、避難を要するような地震があれば上映どころではないので、このくらい気にしなければどうということもない、とも言えますが、やっぱり気になる。

 劇場のかたに話を聞くと、問題は認識しているとのことなので、もしその必要が認められれば補強などが行われる可能性もないわけではなさそう……ただ、TOHOシネマズ渋谷リニューアルオープンのときのような、床がベコベコで不安になる、というほどのレベルではありませんし、ぶっちゃけ多少振動が伝わるのは珍しいことではないので、そのままになる可能性も充分にありそう。何となく、スクリーン5は上映終了間際の作品が追い込まれる場所になっちゃいそうだなー。

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