レンタルDVD鑑賞日記その459。

 シリーズ第21巻。引っ越したばかりの友人宅を訪ねた際に遭遇した異様な出来事を綴る“インターフォン”、怪奇映像を集めたムックに収録されるはずだった、山中の廃村を探索に行った人物が記録した怪事の一部始終“霧の村の呪祭”など5篇を収録。

 何度も言うようですが、『ほん呪』スタッフが関与していた作品は、当のスタッフが離れても比較的観られる出来を維持していることが多い。岩澤宏樹および児玉和土が関わり、早いうちに離れたはずのこのシリーズも、順調に巻を重ねながら、観られるレベルは保ってます。映像的にはこんなもん? という印象はあれど、映像の流れが怪奇体験の記録として成立している、というのが大きい。なんのために撮られたのか解らない一続きの映像を、一瞬の違和感目当てに追い続けるのはやっぱりしんどいですから。

 その意味では今回も満足はいく……とはいえ、怪異の方向性が似たり寄ったりのエピソードを1巻にまとめちゃうのはどうなのか。怪奇現象抜きでも十二分に怖い“インターフォン”や、タブレットが重要な役割を果たす“音声認識機能”は特殊ですが、他の3つは導入や経緯こそ微妙に違っていても、映像として繰り広げられる出来事がそんなに違っている印象を受けないのは如何なものか。そろそろシリーズとしての蓄積も出来ているはずですし、この辺は散らして発表してもよかったように思います。

 やっぱり映像の内容自体に引っかかるところはあっても、成り行きが興味深い、面白い、というだけで段違いに心証はいい。あまりに堅実すぎるのが今後の気懸かりではありますが、とりあえずまだまだ楽しめそうです。

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